しめ縄飾りの向きは入船出船?意味と理由
お正月に飾るしめ縄。わらをねじった太い棒になったものですね。
これですね。しめ縄には太い方と細い方がありますが、太い方を綯(な)い始め、細い方を綯い終わりと言って、飾るときにこの向きも大事になってきます。
飾る向きは入船出船といったりもしますが、この向きと意味をお伝えしたいと思います。
入船出船とは
入船(いりふね)出船(でふね)は船首を陸側に向けることが入船で、海側に向けることを出船といいます。
旧日本海軍の伝統で、出船(船首を海側)にすることで、すぐに出られて急な出港にも対応できるようになり、これを出船精神と呼びます。出船精神はいつでも確実かつ迅速に行動できるように準備を怠らないようにする精神のことです。
車で言うとバックで駐車することで、少し面倒ではありますが、出るときに楽になりますよね。消防署も救急車を駐めるときに出口側を前に向けて駐車し、患者さんの搬送をスムーズに行っています。
もっと身近なところで言うと靴を脱ぐときにつま先を部屋側に向けるのが入船、外側に向けるのが出船です。
これも面倒ですが、出船に揃えることで、家から出るときに楽ですし、急いでいるときにもすぐ出られますよね。これが出船精神です。
もっと簡単に言えば、直前になって慌てないようにしっかり準備しておこうということですね。5分前行動とかもこの出船精神から来ています。
しめ縄飾りの入船出船は?
入船出船の向きと意味は伝わったんじゃないかと思います。では、これがしめ縄飾りにどうつながってくるのか?というのが本題ですね。
しめ縄はねじった太い棒ですので、入船も出船もないですよね。それにスムーズに出るための出船精神もありません。
これはしめ縄自体を船に見立てて、細い方の綯い終わりが船首で、細い方が向かって左を向いていると「入船」、右に向いていると「出船」です。
しめ縄はただの船というより宝船で、七福神や財宝、米俵などをたくさん乗せた船を表しています。
なので、入船だとたくさんの財宝や縁起物を積んだ船が港に入る形で、「幸せが訪れるように」という願いが込められます。
反対に出船だと宝船がこれから出港し、おめでたい希望の門出を表します。
しめ縄の向きは入船出船どちらでも良くて、どちらにするかで意味合いが少し変わります。
しめ縄の向きはどちらでも良い
しめ縄をどちらの向きにするか? 迷われている場合はどちらでも良いということになります。
ただ、どちらにするかで意味合いは少しだけ変わってきますので、どういった意味を持たすかによって、決めるのが良いと思います。
職業によってもしめ縄の向きが変わるという考えもあり、入船だとお客さんがいっぱい来て商売繁盛を願うという意味があります。
反対に出船だと家から出て働いて、稼ぎを持ち帰る場合は出船でしめ縄を飾ります。
お店で飾る場合は入船にして、稼ぎに出る場合は出船にするのもおすすめです。